2025年5月7日

第31回丸亀市多職種連携研修会「ま~るの会」もしもの前から考えようあなたの生き方アドバンスケアプランニング終了致しました

イベントサマリー

第31回 丸亀市多職種連携研修会(ま~るの会)

開催日 令和7年6月3日 (火)

時間  19:00~20:45

講師 片山 陽子先生  香川県立保健医療大学副学長・大学院研究科長兼在宅看護学教授

研修参加者 84名

介護職4名、介護支援専門員(主任含む)18名、看護師19名、理学療法士2名、作業療法士1名、生活相談員3名、保健師9名、MSW3名、社会福祉士4名、計画立案1名、福祉用具1名、薬剤師5名、歯科医師8名、医師5名、行政職1名

講演テーマ: もしもの前に考えようあなたの生き方アドバンスケアプランニング(ACP)

~今の自分が思う大切な事を振り返る~

概要:

今回は、片山先生をお招きして、アドバンスケアプランニング(ACP)について学び、人生会議としてのカードゲームを体験して意思決定を迫られる方の立場を理解し、質の高いかかわりにつなげられることを目的として研修会を開催しました。

片山先生は、「ACPとは、もしもの時の医療やケアについて、自分で選択し納得した医療やケアの選択だけを考えることだと思われがちです。しかし医療やケアの選択は一つの選択項目であり、自己の選択した人生観、死生観、価値観により、自分らしい人生を生ききる事ができるようにする事が目的なのです。」と話されました。

ACPの具体的内容は、健康状態・疾病のステージに応じて①健康期、②慢性疾患や障害を持ったり、高齢者となった時期、③重篤な病状、人生の最終段階の3段階に分けられます。健康期は、ACPの基盤として、人生全体を考えるアドバンスライフプランニング(ALP)として、啓発的に地域コミュニティなどでの話し合いを経験する事が、その後のACPに良い影響を持つそうです。そしてカードゲームなどを通して、自己の人生をどう考え、何を大事にして暮らしていくのかを考え話し合う事が良いのではないかと言われました。そしてその後は、人生の節目等で、その時々での自分の人生観・死生観・価値観を踏まえてどんな医療・ケアをどこで受けたいのかなどについて、修正を繰り返す事でACPの精度も高まると伝えられました。超高齢化と医療の進展により、‘治す医療’から‘治し支える医療’に変化し、私たち支援者はその人の心の準備性を理解したうえで、ACP=結論としないように、思いに寄り添いながらその人の選ぶ最善を支える必要があります。

最後に先生は、支援者と本人をワインのソムリエと客との関係に例えて、「客が自己のニーズや状況を伝え、ソムリエがその情報を基にその時にふさわしいワインを提案し、その場にふさわしい食事の場を演出するのです。あくまで本人が主人公なのです。」と話されました。これからも地域の方々が、生き生きと自分らしい人生を生ききるために、治し・支える医療ケアが本人の価値に基づいたものになる様に、寄り添っていきたいと思ったひと時でした。

研修の意見・感想

自分の価値観がわかっていなかったが、カードゲームをすることで自分の中の価値観がどういった最期を迎えたいのかについて理解を深める事ができました。
カードゲームをしてみて支援を受ける側の気持ちが少しわかった気がした。
今の自分が思う大切な事を考えるのが難しかったです。自分を見つめるのに役立ちました。この体験を利用者の方に役立てればと思いました。
初めて参加しましたが、とても勉強になりました。ACP最近よく聞き簡単に使っていましたが、奥が深いと思いました。しっかり話を聴く傾聴力をつけたいと思いました。
利用者・家族の思いを尊重しACPを行っているつもりでしたが、話を聴いて情報提供を多くしてしまい、自分の思う方向に持って行ってしまっているように感じました。傾聴し段階に応じて進めたり、立ち止まったりするようにしたいです。
普段認知症の利用者さんと接しているとコミュニケーションが取りづらく、何かを選択しなければいけない時にどうしても専門的な目線から考えてしまったり、家族の意見に寄ってしまいがちだと思います。しかし利用者本人が主体でであることを一番に忘れずにいたいなと思いました。
症状緩和が意思決定能力を支えるうえで不可欠であると言う点は大いに納得しました。状態により思いが変化してもその人の価値観は基本的に変わらないため、発言に矛盾を感じた時は価値観を知る手がかりなると言う点は、支援者として大切にしたい学びでした。さらに本人が決断した背景や理由を丁寧に聞き取ることが本人の納得感や安心感につながるため支援者として「聴く」スキルが重要である事が再認識出来ました。

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