2025年1月22日

第30回丸亀市多職種連携研修会ま~るの会 認知症コミュニケーションケア技法ユマニチュードを知る・学ぶ 終了いたしました!

イベントサマリー

第30回 丸亀市多職種連携研修会(ま~るの会)

開催日 令和7年2月27日 (木)

時間  19:00~21:00

講師 森山 由香 先生 日本ユマニチュード学会 チーフインストラクター

社会福祉法人 三篠会 小規模多機能型介護事業所 SHIRAKI 梯 管理者(理学療法士・ケアマネージャー) 

研修参加者 127名

介護職9名、介護支援専門員(主任含む)25名、看護師36名、リハビリ7名、機能訓練指導員2名、生活相談員4名、保健師8名、社会福祉士1名、歯科衛生士1名、医療ソーシャルワーカー2名、事業所管理者3名、

心理士1名、薬剤師9名、事務職5名、医師4名、歯科医師4名、消防2名、行政3名、その他1名

講演テーマ: やさしさを伝える 認知症コミュニケーション・ケア技法

                                                    ユマニチュードを知る・学ぶ   

概要:

ユマニチュードとはフランスのイヴ・ジネスト氏とロゼット・マレスコット氏が開発した技法で「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4つの要素を柱とし、あなたを大切に思っていることを相手に伝わるように伝えるケア・コミュニケーション技法で、「人間らしさを取り戻す」という意味を持つ。

講師の森山先生の施設にイヴ・ジネスト氏が訪問した際、長年寝たきりの女性に会われた。その施設の職員も、愛情を持って丁寧な対応を行なっていたはずであるが、十分にはケアができていなかった。ジェネスト氏が正面から顔を近づけて目線を合わせて話しかけると、その女性が手を伸ばして先生の頬を撫でた。森山先生は、ジェネスト氏の関わりと職員の関わりにどんな違いがあったのかについて、「そこには哲学が存在していたかどうかだと思うんです。」と語り始めた。高齢者は認知力の低下に伴う短期記憶障害や、加齢に伴い視野が狭くなる傾向を踏まえ、まず初めにノックをして来訪を伝え、対象者の正面から向き合い、目線の高さを合わせ「あなたに会いに来ましたよ。」と挨拶を交わす。はじめましての応答から、信頼関係を構築できるような会話を行なう。そしてこれから行うケアの説明をして、同意を得て実施する。受け入れてもらえないままケアをする事は、強制的なケアになってしまうため、受け入れてもらえない時はケアをしない。相手の意向を尊重するのである。了解を得てからケアを行なった後は「一緒にしてくれてありがとう。」などと感謝を伝える。一連の過程を丁寧に行うところに、自由と平等、尊厳をまもるユマニチュード哲学が含まれる。そして可能な限り「立つ」機会を持つ。ユマニチュードでは一日20分立つ機会を持つことで歩く力が保てると言われている。シャワーや食事、排せつなどの際に立つ機会を持つことが、立位機能の保持につながると言われる。森山先生は、「おそらくケアを提供する側に優しさがないのではなく、優しさを伝える方法を理解して使っていなかったと考えられるのです。」と言われた。

「見る」「話す」「触れる。「立つ」の4つの柱は目新しい事ではなく当たり前の事、多くの人は「自分はいつもこうしている」と思う。しかし、相手の事を大切に思っている気持ちを伝えるために、4つの柱はほとんど使われていない事がある事を認識しておく必要がある。人は認知症、寝たきり、要介助などの状態に関係なく自由であり、尊厳と権利において平等である。これは2024年に施行された認知症基本法の理念にも沿うものである。ユマニチュードは認知症だけでなく、高齢者、小児、重症患者などあらゆる人や場面で有効である。言語・非言語メッセージの絆を結び関わる事が、ケアを受ける人と提供する人の両者を満足へ導き、共生社会の実現にも繋がると言える。

 

アンケート結果: 参加者127名、 アンケート回答数117枚 アンケート回答率 92.1% 

研修への意見・感想

初めてユマニチュードについて詳しく聞く事ができ勉強になりました。今後はこの技法を考えながら援助したいと思います。
具体的な事例を通して普段見逃しがちな事を気づかせてくれました。
自分の聞きたいことだけ聞いてしまう自分の癖を直し,その人を見てその人の生活の活を聞く姿勢で関わっていきたいと思いました。
見る・触れる・話す動作も自分の意識で良くも悪くもなるのだなと感じました。自分も意識して行動したいと思います。
人としての尊厳を大事にしたいと思いました。あたり前の事、優しさ、信頼関係を築く、家庭・仕事でも活かしたいと思います。
ユマニチュードの目線を合わす、触れるなど、日頃から心がける必要があると思いました。
アイスブレイクとして実技があり、聴いたばかりなのに実行できていない現実にがっかりした。理想と現実のギャップを忙しい業務の中でできるだけなくしていきたいと思う。
今の自分が、丁度介護について疑問を抱いていたので、毎日の業務に気持ちを込めていたので、まさにこの介護をしたいと思った。でも実際明日職場でできるのかと言われたら一人だけではできないので、もどかしさを感じました。 もっと長くユマニチュードの研修を聴きたいです。
救急隊による傷病者に接する時に役立つ内容でとても参考になりました。ありがとうございました。

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