まず、丸亀消防の発表で、救急隊は傷病者が侵襲ある治療を希望するのか、高度な治療は望まずに自然な看取りを希望するのかを再確認したうえで次の診療機関に繋ぐ役割を担っている。しかし現場では、救命のために駆け付けるも、「心臓が止まっているなら、もう蘇生は望まない。でも救急隊には来てほしい。」「会話が出来る程度には、回復すると期待していたが、無理なら穏やかにして欲しい。」などと言う声を聞く事もあり、搬送に苦慮するジレンマを伝えた。そして香川県から出されている高齢者施設における救急搬送についての文書を示し、基本的事項として心肺停止を確認したら、心肺蘇生を希望しない旨の提示に関わらず心肺蘇生を開始する。そして除外項目の有無を確認し、かかりつけ医に連絡し指示があれば、蘇生中止ができる手順を説明した。特に注意すべきことは、Do Not Attempt Resuscitation(以後DNAR)の意思表示の有無にかかわらず、食物による窒息や急な事故など外因性と思われる場合は、蘇生が必要である。日頃から心肺蘇生に対する本人・ご家族の意向を話し合い、在宅医らと普段から関係を築くことが重要であると提言があった。また救急搬送を受ける立場の急性期病院である香川労災病院からは、DNARについて院内指針を決め本人または本人の意思をくんだ家族の希望承認が前提となると発表された。
令和3年より「科学的介護情報システム」LIFE(Long -term care Information For Evidence)科学的介護体制加算が算定開始となっている。加算要件はBarthel Index等、妥当性のある指標への利用者の心身の状態登録と、累積されたデータベースから施設・事業所へフィードバックされる全体及び施設、個人のフィードバックデータを自施設で評価しPDCAサイクルを活用して、ケアの改善を図るという事の2点である。フィードバックデータは職員内で評価し、リハビリ等多職種での、各種カンファレンスに活用しケア計画の見直しやあらたな立案に活用出来る。介護ケアは利用者の意向を踏まえた上で立案する。ケアプランの作成や見直しの際にも、フィードバックデータを基に利用者と話し合えば、意思疎通が進み、利用者との心理的距離を縮め介護者の活動の幅を広げることに繋がる。