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2024年08月13日
丸亀市市民公開講座 認知症と共に暮らせるまちをめざして ~出会う・話す・つながる~終了しました!
丸亀市市民公開講座イベントサマリー
認知症と共に暮らせるまちをめざして
~出会う・話す・つながる~
開催日 令和6年9月21日(土)
時間 13:30~15:30
講師 高知県立大学 社会福祉学部 教授 矢吹 知之 先生
研修参加者 101 名
講演テーマ: 認知症とともに暮らせるまちをめざして
~であう・話す・つながる~
概要:
認知症は誰もがなりうるものであり、多くの人にとって身近なものになっている。認知症になっても希望を持って暮らせるまちを目指すため、丸亀市の認知症を取り巻く状況と、認知症の人や家族の思いを知り、我がまち丸亀でどのようにして認知症とともに暮らしていけるのかを考える機会として、今回の市民公開講座は開催された。
丸亀市地域包括支援センターによると、令和6年の丸亀市の人口は11万9千人、そのうち65歳以上の高齢者は3万2,138人で高齢化率29%、高齢者の家族状況は、6割以上が「一人暮らし」や「夫婦のみ」の世帯である。また介護保険の認定者数も増加傾向で、要介護と認定された人の中で認知症高齢者の方の占める割合は55.8%となっている。
丸亀市では、認知症の進行に応じたサービスや社会資源を提供し、認知症の方等の居場所として認知症カフェ(にじいろカフェ)を開催している。「にじいろカフェ城南」と「わたしの居場所~まるちゃん~」を主宰している合田美貴子さんは、60歳代で認知症を発症されたご主人がどうしたら楽しく暮らせるのかを考え、色々な人と話せる場としてにじいろカフェ城南を開設した。そこでは認知症の人だけでなく色々な立場の人が集い、語りあえる場となっている。また、「わたしの居場所~まるちゃん~」は認知症の方とそのご家族が、これから実現したいこと等を話し合ったり、家族同士で介護の悩みを共有できる場の重要性を訴えた。
矢吹先生は、2012年には15.0%であった認知症有病率は、2022年の調査では12.3%となった調査結果を示しながら、認知症有病率低下の理由として、喫煙率の低下、中年期~高齢早期の生活習慣病管理の改善、健康意識の変化により認知機能の進行が抑制されたと説明された。認知症になっても穏やかに過ごせる人はたくさんいて、その関わり方と周囲の理解が影響していることがわかってきたと言及された。認知症診断直後の支援で大切な事は、認知症と言われたことで起きる、自尊感情・自己効力感の低下に対しての対応である。周囲からの「認知症になったら何もできないだろう。」「あの人は認知症なのに頑張っている。」という善意による偏見が本人や家族に向けられ、誰にも相談せず孤独に苦しむ。しかしそれを和らげ、一緒に心配してくれる人がいることで不安や絶望を和らげ、前向きに生きるための始まりとする事ができる。認知症とともに希望を持って生きるという『新しい認知症観』が地域に根付く事は誰もを暮らしやすくする。私たち誰もが当事者という視点で、偏見のない認知症の理解を広げることが重要である。早期発見(受診)、早期診断から認知症カフェなどの集いの場への参加が、~であう・話す・つながる~となり、認知症になっても大丈夫と言える地域に近づくのではないだろうか。私たちに何ができるかを考え実行したい。
アンケート結果
1.参加者状況
参加者101名 アンケート回答数 75名 アンケート回答率 74.2%
年齢層 | 20歳代 | 30歳代 | 40歳代 | 50歳代 | 60歳代 | 70歳代 | 80歳代以上 |
人数 | 1 | 1 | 3 | 9 | 24 | 29 | 8 |
2,認知症を知っていましたか。
3.認知症の人に接したことがありますか。
4.感想
年齢層 | 感想 |
20歳代 | 絵を見て何に見えるかと演習で、周りは見えているけど自分は解らない。何で何でわからないのかなと思う感情が認知症本人の思う感情に近い事。認知症をカムフラージュするために人との関りを避ける。弱くなった部分を惜しむのでなく、受容しながら穏やかに緩やかに老いて行けるようサポートしていけたらと思った。 |
30歳代 | 認知症の体験をしてくれたのが良かった。 |
40歳代 | わかり易く、認知症の人の気持ちを体験した上で考える貴重な話だった。社会を変えていく、変わっていく、そんな希望を持てる気持ちになりました。」ありがとうございます。 |
40歳代 | 92才のおばあちゃんと二人暮らしをしている。今日の話を聴いて安心して、おばあちゃんが認知症になっても受け入れられる気がした。自分を犠牲にしないでサービスも上手く利用してみたら良いと思った。 |
50歳代 | 母が認知症で、接し方について悩んでいたので社会資源を増やして認知症カフェで家族の方とも話ができれば、何かヒントが得られると思いました。 |
60歳代 | 認知症の人がどのように感じているのかわかり易く話して下さりもっと早くわかっていたら母に接する時も優しく出来たとおもいます。理解することはとても大事だと思いました。 |
60歳代 | 年齢の近いひとが認知症になると身近な問題になる。感情を読み取ることを聞いて勉強になった。 |
60歳代 | 先生のお話が、例題と言いつつ話して頂き理解し易かったです。認知症の人に否定することは良い点はなし。認知症の原因により対応も多様であると知った。 |
60歳代 | 丸亀市のにじいろカフェの通いの場に思った以上に参加者が多いのだと知ってその場の雰囲気作りも良いのだと思います。我が町にもこんなコミュニティが広がったらいいと思いました。 |
60歳代 | 家族の方(合田さん)のお話が印象的でした。しかし友人や近くに相談できる場所がある人はいいけど、、、と思いました。認知症の現状や、脳の働きについてが良くわかりました。カップルの写真がわからなかったのが残念でした。 |
60歳代 | 認知症の方との関わり方。まずは相談、社会資源を知って行く事。周りが変わる事、一緒に考えつながる事。 |
60歳代 | 否定をしてはいけないと言う事がわかった |
60歳代 | 認知症の方を決めつけるのでなく認め合い受け入れる事。自分がなってもそうして欲しいものである。 |
70歳代 | 合田さんが「ご主人から元気をもらっている」と聞き、なるほどと思いました。誰かに打ち明け、一人で抱え込まない。助けて貰いながら、自分も倒れないようにするという事。やさしく寄り添えあえる人に近づきたいと思いました。 |
70歳代 | 認知症の人を変えるのでなく、私たちが変わる。認知症というあいまいさを支える。自分ができる事をする。 |
70歳代 | 認知症、誰にもある病気のひとつだと思います。
コミュニケーションの大切さ、人には優しく言えるように、私にもできる |
70歳代 | 無知による・経験からくる・善意による偏見浸み込む様に無くしていく。私はまだまだ偏見だらけだけど赤ちゃんが見えなかった時、認知症の人ってこんなの?とガツンと来ました。とっても不安でした。 |
80歳代 | 帰って今日の内容を主人に話したい。他人事ではない、これからの事を話したいです。 |
80歳代 | 大変勉強になりました。自分の事,家族の事を考えようと気づきました。 |
5.動画のYouTube配信について
期間限定 令和6年10月16日~11月6日までとなっています。
2024年07月11日
第28回丸亀市多職種連携研修会「ま~るの会」まんでネット講習会のご案内 ~ご案内終了しましたYouTube配信あり
イベントサマリー
第28回丸亀市多職種連携研修会「ま~るの会」
~みんな医療・介護・福祉の専門職まんでネットでつながろう~
まんでネット講習会
ログインから多職種連携での活用方法について
開催日 令和6年7月24日
時間 19:00~20:30
講師 株式会社 カナミックネットワーク 松嶋 由佳 氏
松本 幸広 氏
森下 学 氏
研修参加者 65名
医師 2名、歯科医師5名、薬剤師7名、看護師13名、保健師4名、介護支援専門員(主任含む)8名、理学療法士2名、作業療法士2名、施設管理者5名、MSW5名、社会福祉士2名、
介護士1名、ヘルパー1名、管理栄養士1名、事務職1名、行政1名、福祉器具業者2名、その他3名、
講演テーマ: ~みんな医療・介護・福祉の専門職、まんでネットでつながろう~
まんでネット講習会 ログインから多職種連携での活用について
概要:
在宅医療介護では、介護や看護、リハビリなど様々な事業所スタッフの訪問を受ける事が多い。利用者は、各職種のスタッフが自分の状態を理解した上でケアしてくれると安心できる。まんでネットは、クラウド上の多職種間の情報連携ツールであり市内の医療機関、介護事業所等は手続きをすれば無償で使用でき、利用者の個人情報を、タイムリーに正確に伝達できる。ICTには情報流出予防など安全管理が重要である。まんでネットは、国内でデータ管理しバックアップも行ない、災害にも耐えられ、厚生労働省のガイドラインに準拠したシステムであると聴いた。さらに、各利用者ごとの記録をする『部屋』には、その部屋に招待されてから情報の閲覧や入力が可能となる。システム管理は丸亀市であり、利用者の部屋作成は、医師とケアマネージャーの権限となっている。部屋へのアクセスはID,パスワードを取得した人だけが入れるため、ID,パスワードを持たない人は、情報にアクセスできない。地域の在宅医療介護を効果的に機能させするためには、ID,パスワードを取得し、日常的にまんでネットを利用する事が重要と説明された。
令和6年度の診療報酬改定で新設された在宅医療情報連携加算に関しても、まんでネットはその加算条件に準拠していると説明があった。また、まんでネット上からオンライン会議へもアクセスでき、会議録も残す事ができ、ペーパーレスでタイムリーな情報伝達となる。今後も地域住民の住み慣れた場所で暮らしの質を保つために、上手にまんでネットを活用し多職種の顔の見える関係が繋がるよう活用を進めて行きたい。
(アンケート結果)
研修内容への感想・意見
・現在システムは使用していないが、感覚的に使いやすそうな仕組みであると感じた。
・使い方、機能が良くわかりました。
・医療、介護いずれの業界にもこのクラウドシステムが認知され、全ての職種が活用できれば、一人ひとりの利用者・患者にとって有意義なものになると思います。
・ 時々まんでネットを利用していました。ZOOMで使用できると知って活用できたらと思いました。
・ まんでネット加入を検討していいるので、研修に参加出来て良かった、
・ まんでネットの活用手順がもっとシンプルになれば、現場での入力が助かります
・クラウドより電話の方が早い、手間。
・加入の仕方も分からなかったので今回聞けて良かった。
・同僚に相談して検討したい。
・室温が 寒かった。温度管理必要です。
・ 訪問看護さんとリアルタイムにっ情報共有連携についてどうにかならないか相談があったので上手く活用できたらと思った。
医師ケアマネ以外にも部屋作成ができたらやりやすいと思う。
ユーチューブ 限定公開 令和6年8月20日 0時 ~ 9月4日 22時
2024年04月23日
丸亀市在宅出前講座 ~そこが知りたい在宅医療~ 飯野コミュニティセンター ~ 終了しました ~
イベントサマリー あなたの地域の出前講座そこが知りたい在宅医療
会場:丸亀市飯野コミュニティーセンター
主催:丸亀市在宅医療介護連携支援センター
令和6年6月6日 13:30~15:00
テーマ『そこが知りたい在宅医療~住み慣れた自宅で暮らし続けるために~』
【プログラム】
講話「そこが知りたい在宅医療」丸亀市医師会 小野 志磨人先生
「人生の最期・看取りについて」まるがめ訪問看護ステーション所長 小野雪絵先生
グループ討議 「あなたならどうしたいか、大切な人にどうしてあげたいか」
(ファシリテーター)医師3名、地域包括支援センター職員5名、在宅医療介護支援センター相談員1名、訪問看護ステーション看護師1名
(対象者:地域住民)参加人数34名
参加者属性:性別 男性8名、女性26名
年齢層 50歳代未満3名、50歳代1名、60歳代3名、70代15名、80代12名
アンケート回答数 34名 回答率100%
【まとめ】
今回は地区の長寿大学の受講生の方々が多く参加して下さり、参加者同士が顔見知りという方が多く、70歳から80歳以上の方が合わせて79.4%を占めていました。いつか来るであろう自分の最期を迎える段階をどうしたいか、医療や介護が必要になった際にはどう暮らしていくのか考えて見ませんかという呼びかけに対し、「認知症で自分の事がわからなくなったら迷惑かけるなあ。」とまず自分の周囲への負担を考えると言う声が多く聞かれました。普段地域包括支援センターで相談業務に携わっているグループ討議のファシリテーターは、「地域包括支援センターで相談を受ける時は、相談者さんの『こんな病気を持っているんだけど、自宅で暮らしたい。不安なの。』等というその人の気持ちを聴きながら寄り添えるように心がけていますよ。」と話し、どんな時に相談にいけば良いかを説明してくれました。この講座をきっかけに自己の望む人生の幕引きへの暮らしをイメージし、準備することも必要だと感じてもらえたのではないとかと思いました。
また、今回エンディングノートとして配布された‘もしもノート’に自分の受けたい終末期医療や介護、最期の迎え方など自分の希望や思いを記載することは、自己整理でき周囲の人たちにも理解して貰い易いと周知されました。最期の段階であると感じた時にについて「いざとなったら、病院にたのまないかんわな。」とか「最期は施設かな。」と言う人も、そのような状況になる前段階としてどうやって生きていくのかという視点では、「できるだけ自分の事は自分で、仲間との交流を大事にして前向きに生きたい。」と話し、その意見にうなづいたり共感する様子がありました。ただ「ぎりぎりまで家で居たいけど、痛みやしんどさを我慢するのは怖い。」という不安の声については、医師から緩和ケアという治療がある事も説明され、「元気な時から前向きに暮らし、隣近所やコミュニティなどのつながりを大切にしていきましょう。」と説明されました。普段かかりつけ医の診察で体調の話はできても、人生の最終段階までの話を医師とともに語り合える機会は滅多にありません。どの人も笑顔で活発に意見を言い合い、「話が聞けて、皆に話せて良かった。楽しかった。」等という感想もあり、なごやかに会を終える事ができました。
この在宅出前講座も、やっと丸亀旧市内の全コミュニティセンターに廻らせていただくことができました。地域の皆さんと医師や保健師・看護師が直接意見を交わせる時間は賑やかで明るくて、パワーを頂くことができました。今後は地域の方が、もっとはつらつと交流できる内容を持ってコミュニティに入らせていただきたいと思います。地域の皆さま、大変お世話になりました。
【アンケート結果】
1.かかりつけ医がいますか ①はい 32名 ②いいえ 2名
2.在宅医療について
①よく理解できた 14名
②少し理解できた 17名
③あまり理解できなかった 3名
④全く理解できなかった 0名
3.人生の最期をどうするか、イメージできましたか?
①よくできた 7名
②少しできた 24名
③あまりできない 3名
④全くできない 0名
4.在宅医療に対する不安はどうですか?
①不安がなくなった 5名
②不安がすくなくなった 12名
③不安は変わらない 15名
④不安が大きくなった 0名
⑤無回答 2名
5.感想
・60歳代(女性) 日頃から家族の中で終末について少しでも自分の考えを伝えておけば良いかな。
色々な情報を知っておく。今日は色々な事を考えるチャンスになりました。
・70歳代(女性) 時々これからの事を考えたり、話し合ったりする時間を持たなければならないと感じて
ます。参考にしたいです。
・70歳代(女性) 自分の事を考える機会が出来た。
・80歳代(女性) 自宅でなくなるのも大変な事、元気で最期を迎えたい。
・80歳代(男性) 介護についての知識が深まり非常に良かった。
2024年01月12日
第27回丸亀市多職種研修会 ま~るの会 `蘇生を望まない傷病者の急変対応を考える’ご案内~ご案内終了しました~
イベントサマリー
第27回丸亀市多職種連携研修会「ま~るの会」
研修会 ~地域の人たちの最終段階を温かく自然なものにするための備え~
蘇生を望まない傷病者の急変対応を考える
研修方法: プレゼンテーションと事例検討、グループ討議
講演者:独立行政法人労働者安全機構 香川労災病院 看護師長 松﨑 尚子
丸亀市消防本部 防災課 副課長 大前 博文
主催:丸亀市在宅医療介護連携支援センター
会場:丸亀市市民交流活動センター マルタス 多目的ホール1、2
開催日・時間:令和6年2月9日 19:00~20:30
対象者:地域の全医療施設・介護サービス事業所の職員
参加人数96名
参加者属性:
介護支援専門員22名、介護事業所・訪問看護ステーション管理者6名
医療ソーシャルワーカー5名、生活相談員2名、介護職員2名、ヘルパー1名、
理学・作業療法士4名、保健師3名、看護師24名、社会福祉士1名、
市役所事務職員1名、社会福祉協議会職員2名、消防署職員1名
医師8名、歯科医師6名、薬剤師9名、合計97名
アンケート回収87名 アンケート回答率 89.7%
【研修内容のまとめ】
超高齢、多死社会を迎え、心肺蘇生を含めた治療を望まないにもかかわらず119番通報をして事後の対応に苦慮する事例が問題となっている。丸亀市内にも高齢者施設・事業所は増えており、急な傷病者への対応を多職種で考える機会とした。
まず、丸亀消防の発表で、救急隊は傷病者が侵襲ある治療を希望するのか、高度な治療は望まずに自然な看取りを希望するのかを再確認したうえで次の診療機関に繋ぐ役割を担っている。しかし現場では、救命のために駆け付けるも、「心臓が止まっているなら、もう蘇生は望まない。でも救急隊には来てほしい。」「会話が出来る程度には、回復すると期待していたが、無理なら穏やかにして欲しい。」などと言う声を聞く事もあり、搬送に苦慮するジレンマを伝えた。そして香川県から出されている高齢者施設における救急搬送についての文書を示し、基本的事項として心肺停止を確認したら、心肺蘇生を希望しない旨の提示に関わらず心肺蘇生を開始する。そして除外項目の有無を確認し、かかりつけ医に連絡し指示があれば、蘇生中止ができる手順を説明した。特に注意すべきことは、Do Not Attempt Resuscitation(以後DNAR)の意思表示の有無にかかわらず、食物による窒息や急な事故など外因性と思われる場合は、蘇生が必要である。日頃から心肺蘇生に対する本人・ご家族の意向を話し合い、在宅医らと普段から関係を築くことが重要であると提言があった。また救急搬送を受ける立場の急性期病院である香川労災病院からは、DNARについて院内指針を決め本人または本人の意思をくんだ家族の希望承認が前提となると発表された。
参加者であるベテラン医師は「最期の時にどうするかを聴くのは難しい。患者さんが一人の時と、家族と一緒の時、病状の状態によっても返事の内容が変わる事はある。普段からの付き合いや当事者から声に出す時など、状況を考える必要がある。また面談用紙にサインをしたからと言ってそのまま決定事項として再確認せずに対応する事も危険。寄り添うという意識を忘れてはいけないと思う。」と説明した。寄り添うという事を心に留めながらグループ討議に移った。グループ討議では、「急に今後の事について聴くのは難しい。」という意見と同時に、「定期的にでもご家族を交えて利用者さんの様子を伝えたり、望んでいる事を聴く機会が必要だ。」「デイサービスは、とても健康な人が多いが、何でも話せるようにしたい。」との声が聞かれた。DNARの確認よりアドバンスケアプランニング(ACP)が大事で、どうしたいのかという結果を知るためだけではなく、日頃から話し合う時間を共有することが寄り添うことになる。終末期にどんな医療が受けたいのかを家族や大事な人と話し合えるようにしたいというまとめに至った。最後に「大切なことはその時のその人の意思が、周囲に繋がり適切に活かされる事である。そしてその意思は、変わっても良いんだよ。と言う事を踏まえた上で医療者として関わる事を認識しよう。」という提言がされた。4年ぶりの対面研修会は、お互いが笑顔でうなずいたり、質問し合ったり活気を感じる会となった。
(アンケート結果)
1.参加者の経験年数
2.研修の満足度
3.今回の研修はあなたの仕事に役立ちますか。
4.ま~るの会でしてほしい研修内容について希望するテーマを教えてください。
2023年12月13日
丸亀市在宅出前講座~そこが知りたい在宅医療~城乾コミュニティセンター ~終了しました~
イベントサマリー
在宅医療出前講座会場:丸亀市城乾コミュニティーセンター
主催:丸亀市在宅医療介護連携支援センター
令和6年2月29日 13:30~15:30
テーマ『そこが知りたい在宅医療~住み慣れた自宅で暮らし続けるために~』
【プログラム】
講話「そこが知りたい在宅医療」丸亀市医師会 小野 志磨人先生
「人生の最期・看取りについて」まるがめ訪問看護ステーション所長 小野雪絵先生
グループ討議 「あなたならどうしたいか、大切な人にどうしてあげたいか」
(ファシリテーター)医師3名、地域包括支援センター職員2名、在宅医療介護支援センター相談員1名
(対象者:地域住民)参加人数16名
参加者属性:性別 男性1名、女性15名
年齢層 50歳代未満1名、50歳代2名、60歳代3名、70代3名、80代4名、不明2名
無回答2名
アンケート回答数 14名 回答率88%
【講話のまとめ】
<そこが知りたい在宅医療>人口減少と少子高齢化、核家族化に伴い、高齢者世帯で夫婦のみの世帯や独居の世帯が増えている。住み馴れた自宅で最期まで暮らすために、医療やケアをどのように賄うかを考える必要がある。誰しも皆一度は死を迎える時が来る。医療や介護を自分や家族だけで賄うのでなく、訪問診療・往診、訪問看護、介護、リハビリなど、状態に合わせた生活支援や医療ケア、急変時対応の準備や、24時間対応の相談窓口の備え等が必要になる事を視野に入れる必要がある。その為にかかりつけ医や地域包括センターや民生委員など身近な地域の人と繋がりを持つことが第一歩である。
<人生の最期・看取りについて>自らが望む人生の最終段階の医療・ケアについて話し合う事はアドバンスケアプランニングと呼ばれ、それを話し合う場は人生会議と呼ばれる。人生会議は、自分のここから先の暮らしをどのようにしていくのか、医療や介護が必要になった際にはどう暮らしていくのか考える機会である。訪問看護は「こんな病気を持っているんだけど、自宅で暮らしたいの。」という方の心身の状態を受け止め、寄り添ったケアをしてくれる。そして介護やリハビリなどの専門職も訪問でケアを受けることができる。自己の望む人生の幕引きへの暮らしをイメージし準備することは意義のある事である。
【グループ討議の結果内容】
今回は、50歳未満から80歳代の各年代の方が3,4人づつ参加され、各年代の方の声を伺う事ができた。50歳代の方は若いながらも姑の介護をしていたり、80歳代でがんの手術を2度も経験したにも拘らず、「できるうちは何でも自分でしながら生きたいんや。」と話され、これまでの経験が自信につながっているのかとその自立心にとても感銘を受けた。『人生最期の看取りについて自分はどうしたいか、大切な人にどうしてあげたいか』については、「少しでも永く、家族に迷惑を掛けないように自宅で自立して暮らしたい。」という意見が多かった。また「家族には少しでも、苦痛のないようにしてあげたい。そのためには訪問看護や介護が利用できるんですね。知らなかったです。」という意見も聴いた。最近は一世帯の人数が少ない家庭が増えて来ているが、別世帯でも家族間の思いやりの心は、しっかりと根付いていると感じた。また「認知症になってもご近所に知られたくない。」という率直な声もあったが、地域包括センターを中心として、認知症対策としてのカフェ活動など、認知症があっても地域で孤立しないよう社会に繋がれる場所が創られている。
グループ討議の中で、地域包括センターのパンフレットを見てもらい、どんな時に相談するのかを話し合い、またエンディングノート(もしもノート)の内容や、その内容は一旦記載しても定期的に見直して書き直して良い事を共通理解した。参加者からは「このノートがあると便利だわ。」という感想をいただいた。医師からは普段からかかりつけ医師や看護師、家族に相談する事が、療養の場所づくりに繋がると説明された。どの人も笑顔で活発に意見を言い合い、共感したりたたえ合いながらなごやかに会を終える事ができた。
【アンケート結果】
1.かかりつけ医がいますか ①はい 10名 ②いいえ 4名
2.在宅医療について
①よく理解できた 9名
②少し理解できた 5名
③あまり理解できなかった 0名
④全く理解できなかった 0名
3.人生の最期をどうすか、イメージできましたか?
①よくできた 4名
②少しできた 9名
③あまりできない 1名
④全くできない 0名
4.在宅医療に対する不安はどうですか?
①不安がなくなった 2名
②不安がすくなくなった 11名
③不安は変わらない 1名
④不安が大きくなった 0名
5.感想
・50歳代 今後の私の人生が心豊かに後悔無く過ごせるようになれる話と知識を得る事が出来た。
これからも、こういう会があれば参加したい。
・60歳代 私より年上の女性がしっかりと意見を話すのを聴いて感心しました。
自分の事をしっかり伝えられるよう、もしもノートを使いたい。
・60歳代 自分の事を考える機会が出来た。認知症の先生が見つかって良かった。
・70歳代 動けるうちはなるべく自宅で過ごし、動けなくなると在宅医療から病院などを考えたい。
・80歳代 これから先の事が、気が楽になりました。
2023年10月30日
在宅出前講座~そこが知りたい在宅医療~住み慣れた自宅で暮らし続けるために(川西コミュニティセンター)ご案内終了しました
川西地区 在宅出前講座 イベントサマリー 令和5年12月7日
丸亀市在宅出前講座
テーマ:そこが知りたい在宅医療 ~住み慣れた自宅で暮らし続けるために~
開催日:令和5年12月7日(木)
時間:13:30~15:30
場所:丸亀市川西コミュニティセンター 大会議室
講師: 丸亀市医師会医師 小野 志磨人先生、まるがめ訪問看護ステーション訪問看護師 小野 雪絵先生
討議のファシリテーター:医師会より医師3名、丸亀市地域包括支援センター職員4名
丸亀市在宅医療介護連携支援センター職員1名
【プログラム】
講話① そこが知りたい在宅医療 丸亀市医師会 小野 志磨人 先生
② 人生の最期・看取りについて まるがめ訪問看護ステーション 小野 雪絵 先生
グループ討議:①人生の最終段階について
②人生の最期 あなたならどうしたいか、大切な人にどうしてあげたいか
【対象】
地域の住民の皆さま
【参加費】 無料
【主催】丸亀市在宅医療介護連携支援センター
【参加者数】36名
【参加者属性】合計 36名 男性23名 女性13名
年齢層 60歳代12名、 70歳代14名、 80歳代 6名(アンケート結果より)
アンケート 回答数 32名 回答率 89%
【講話・グループ討議まとめ】
<そこが知りたい在宅医療>人生の最期を迎えるまでの過程は、がん、臓器不全、認知症・老衰などの疾患の経過からも様々な経過をたどる。第8期介護保険アンケートより、人生の最期をどこで迎えたいかという問いに46.4%の人が自宅を選択し、住み慣れた場所での暮らしを望む人が多い。しかし丸亀市民を対象とした調査では、実際に最期の看取りを受けた場所は、病院64.1%、診療所6.8%、老人保健施設5.5%を占め、自宅で亡くなった人は12.6%という結果であった。人口減少と少子高齢化、核家族化に伴い、高齢者世帯も夫婦のみや独居の世帯が増えている。住み慣れた自宅で最期まで暮らすには、病状の悪化等により通院が困難になるにつれ、最期まで自分や家族だけで賄う事は難しくなる。医療・看護・介護・リハビリ等の多職種のケアや、福祉器具の調整等、専門職の支援を得る事で、医療介護をうけながら安心して生活することが可能になる。在宅医療は住み慣れた自宅で暮らし続けるための選択肢の一つである。自己の望む人生の最終段階を含めた暮らしをイメージし、家族や大切な人にその意思を伝えておくことが肝要である。
<人生の最期・看取りについて>講師の所属の訪問看護ステーションの利用者の転帰は、治療のため病院へ再入院する人や、コロナ禍の関係もあり「最期まで面会に苦労するなら自宅で看取りたい。」と在宅看取りを選択する人が多くなっている。急性期病院での治療後、症状をコントロールしながら在宅療養を継続するには、訪問診療や多職種連携のサービスが必要となってくる。訪問看護は、体調管理、排便管理(摘便・浣腸)、家族への支援など、24時間いつでも相談できる体制などを考えて支援する。高齢者の増加や医療保健体制の変化により、在宅での療養や看取りを希望する利用者は、ますます増える事が予想される。訪問看護や多職種で連携による在宅療養は、身近なシステムなので気軽に地域包括センターやかかりつけ医や訪問看護に声をかけていただきたい。
【グループ討議の結果内容】今回の参加者は男性が64%を占め、「最期の時は家族に任すけれど、それまでの介護は考えてないなぁ。」「葬式の準備は話しているが、医療が必要になったらどうしたらええかなぁ。」と言う方が多い傾向が見られた。家族に介助を託す状態になる自分の将来像は、実際の事として考えるのは難しく、周りに迷惑を掛けたくないと言う気持ちが共通した思いの様であった。ファシリテーターとして討議に入った地域の先生に「認知症はどんな人がなるんですか。」と直接質問に答えてもらったり、「訪問診療頼んでも、外来が忙しい時は来てもらえるんかなぁ。」など訪問診療・看護の実際についての素朴な疑問も聞かれた。討議の中で、エンディングノート(もしもノート)について、書き方や保管の仕方などを話し合った。また現在、丸亀市社会福祉協議会より希望者に配布されている救急医療情報安心キットと言う救急車依頼時に救命士に情報を伝えるための、緊急時情報用紙キットがある事も周知された。地域包括支援センターについても、初めて知ったと言う人も多く、社会資源を理解して元気なうちからつながりを持つことや、家族や近しい人に自分の意思を伝え合っておくことの大切さを確認した。
最後に医師より、普段から心がける事として・かかりつけ医を持つ・公民館や地域包括支援センターなどとのかかわりを大事にする・隣近所の人と仲良くするなどの説明があり、皆さん熱心にうなずきながら聞いていた。
【アンケート結果】
1. かかりつけ医がいますか ①はい 26名 ②いいえ 6名
2. 在宅医療について
- 良く理解できた 15名
- 少し理解できた 17名
- あまり理解できなかった 0名
3.人生の最期をどう過ごすか、イメージ出来ましたか?
- よくできた 8名
- 少しできた 17名
- あまりできない 6名
- 全くできない 1名
4.人生の最期の過ごし方について不安はどうですか?
- 不安がなくなった 6名
- 不安が少なくなった 11名
- 不安は変わらない 14名
- 不安が大きくなった 1名
5.感想を教えてください。
・60歳代 女性 60代からの過ごし方どうしようかと思う事が多かったのですが、近所の人と仲良くすることはあまり出来ていなかったので、元気なうちから気にして行きたいです。
・60歳代 女性 かかりつけ医をきちんとしておく必要があるなと思いました。もしもノートの事等、帰って主人に話したい。
・70歳代 男性 もしもノートを活用して娘たちに思いをつなぎたい。
・70歳代 男性 在宅医療について良く理解できた。何をしておくべきか課題も多いのに動けている間は先延ばしにしている。
・80歳代 男性 在宅医療について考えてもなかったが、出前講座で考えるようになりました。
2023年10月30日
第26回多職種連携研修会(まーるの会)ご案内 ~ご案内終了しました。
イベントサマリー 2023年12月4日
第26回丸亀市多職種連携研修会「まーるの会」
研修会 『小濱 道博先生による LIFE(科学的介護情報システム)に関する研修会』
~LIFEのフィードバックデータ活用~
講師:小濱 道博 先生
小濱介護経営事務所代表、C-MAS介護事業経営研究会 最高顧問
C-SR一般社団法人医療介護経営研究会 専務理事
主催:丸亀市在宅医療介護連携支援センター
会場:丸亀市保健福祉センター
開催日・時間:令和5年11月22日 19:00~20:30
対象者:地域の全医療施設・介護サービス事業所の職員の皆さま
参加人数63名
参加者属性:介護支援専門員11名、介護事業所・訪問看護ステーション管理者8名
医療ソーシャルワーカー1名、介護福祉士1名、介護職員2名、理学療法士4名
生活相談員5名、保健師3名、看護師2名、精神保健福祉士1名、事務員2名
臨床工学士1名、医師2名、薬剤師9名、歯科医師5名、不明6名、合計63名
アンケート回収47名 アンケート回答率 74.6%
<内容>
医療や介護が必要になっても「住み馴れた家や地域で最期まで暮らしたい」という願いを実現するために、地域包括ケアシステムが構築され、介護の需要は依然と増加傾向であると言える。介護保険は介護を要する高齢者が、自らの意思でどのような生活がしたいかを決め、その人らしい自立した日常生活を支援する事を理念としている。自立支援と重度化防止等のためエビデンスに沿ったケアの提供を行う必要がある。
令和3年より「科学的介護情報システム」LIFE(Long -term care Information For Evidence)科学的介護体制加算が算定開始となっている。加算要件はBarthel Index等、妥当性のある指標への利用者の心身の状態登録と、累積されたデータベースから施設・事業所へフィードバックされる全体及び施設、個人のフィードバックデータを自施設で評価しPDCAサイクルを活用して、ケアの改善を図るという事の2点である。フィードバックデータは職員内で評価し、リハビリ等多職種での、各種カンファレンスに活用しケア計画の見直しやあらたな立案に活用出来る。介護ケアは利用者の意向を踏まえた上で立案する。ケアプランの作成や見直しの際にも、フィードバックデータを基に利用者と話し合えば、意思疎通が進み、利用者との心理的距離を縮め介護者の活動の幅を広げることに繋がる。
またLIFEは、その他の介護報酬加算項目の取得内容にも含まれ、LIFEの加算算定取得は施設・事業所運営にも良い経済的効果をもたらす事が予想される。施設・事業所の運営者にとって、LIFEに関するデータ入力業務の定着化は、重要な課題である。LIFEの活用が現場の負担なく行えるよう業務改善を図り、勉強会や発表会など職員が協力し合い、やりがいが持てる職場づくりを進める必要がある。
(アンケート結果)
1.研修の満足度はどの程度ですか。
2.研修の満足度の理由についてお聞かせください。
・入力することが負担になると思ったが利用者には良い事だと思った。
・まだ加算算定していないので、具体的な資料での説明が理解し易かった。
・LIFEの必要性をすごく解りやすく説明して頂き良く解った。
・LIFEが今後もっと活用される事を現実の事と感じた。
・今後必要な加算だと思うのでデイの存続のためにも前向きに進みたい。
3.今回の研修は今後の業務に活かせそうですか。
4.今回の研修会で参考になったり印象に残った話があればお聞かせください。
・わかりやすい説明だった。実際にやってみないとわからない部分はある。データのフィードバックの利用が重要
・フィードバックについてどのように形にして残しておかないかが不明だったので、データ活用のタイミングや見方について
聞けたことは、プラスになった。
・記録や日々のカンファレンスでのLIFEデータの活用性がわかった。日常の色々な場面で使いたい。
・LIFEシステムがどのように活かされるのか。他職種連携の必要性がわかりました。
・日頃の介護をデータ化することで今の課題を可視化することに繋がると感じました。誰が見ても分かるためチームでの情報
共有連携が図りやすくなることが分かりました。
・聴かせていただいた事をどう施設に活かしていくかが課題だと感じた。評価し続けるという事。施設の質は上げていきたい。
動画配信の準備ができました。いかのURLをドラッグし移動してご視聴ください。
動画配信期間は 令和5年12月26日~令和6年1月25日です。
2023年09月12日
在宅出前講座 土器コミュニティセンター~ご案内終了しました~
在宅医療出前講座
会場:丸亀市土器コミュニティーセンター
主催:丸亀市在宅医療介護連携支援センター
令和5年8月23日 13:30~15:30
『そこが知りたい在宅医療
~住み慣れた自宅で暮らし続けるために~』
【プログラム】
講話「そこが知りたい在宅医療」丸亀市医師会副会長 岸本裕司先生
「人生の最期・看取りについて」まるがめ訪問看護ステーション所長 小野雪絵先生
グループ討議 「あなたならどうしたいか、大切な人にどうしてあげたいか」
(ファシリテーター)
医師4名、地域包括支援センター職員5名、在宅医療介護支援センター相談員1名
(対象者:地域住民)
参加人数21名
参加者属性:性別 男性1名、女性20名
年齢層 50代2名(10.5%)、60代2名(10.5%)
70代11名(58%)、80代 4名(21%) 不明2名
アンケート回答率 90.1%
【講話のまとめ】
<そこが知りたい在宅医療>
人生の最期の時を迎えるまでの過程は、がん、臓器不全、認知症・老衰など疾患経過の面からも様々である。第8期介護保険アンケートの結果では、人生の最期をどこで迎えたいかという問いに対し46.4%の人が自宅を希望し、住み慣れた場所での暮らしを望む人が多い。しかし丸亀市民を対象とした調査で、実際に最期の看取りをされた場所としては病院が64.1%、診療所6.8%、老人保健施設5.5%を占め、自宅で亡くなった人は12.6%という結果であった。最近では、人口減少と少子高齢化、核家族化に伴い、高齢者世帯も夫婦のみの世帯や独居の世帯が増えている。住み馴れた自宅で最期まで暮らすには、病状の悪化等により通院が困難になる事を踏まえると、必要な医療やケアを自分や家族だけで賄うのでなく、訪問診療・往診、訪問看護、介護、リハビリなど、状態に合わせた生活支援や医療ケア、急変時対応の準備や、24時間対応の相談窓口の備え等が必要であると報告されている。在宅医療とは通院困難時に医師や看護師が自宅などへ訪問して、診察・治療・健康管理をおこなう事を言う。病気や障害があっても、住み慣れた場所で暮らせるように医療介護の専門職が支援する仕組みである。既に多職種でケア提供や福祉器具の調整など在宅療養を支えるシステムは地域に浸透している。在宅医療は住み慣れた自宅で暮らし続けるための選択肢の一つである。一人ひとりが、自己の望む人生の最終段階を含めた暮らしづくりを普段からイメージし語らう場を持っていただけたら幸いである。
<人生の最期・看取りについて>
まるがめ訪問看護ステーションの利用者の転帰は、治療のため病院へ入院する人と同等に、自宅での看取りを迎える人が多くなっている。急性期病院で治療を受け、合併症や麻痺、疼痛など症状をコントロールしながら在宅療養を継続するために、デイサービス、訪問診療、訪問看護、薬剤師訪問や、福祉機器のレンタルなど、介護保険によるサービス担当者会議などにより各業種が連携しサービスを提供する。看護ケアも体調管理、排便管理(摘便・浣腸)、家族の相談対応など、困ったところに配慮し24時間いつでも相談できる体制をとり活動している。在宅での療養看取りを希望する利用者は増える事が予想される。今後も多職種で連携し、利用者一人ひとりに適した訪問看護を提供していきたい。
【グループ討議の結果内容】
参加者は70歳代の方が57.8%、80歳代21%と多く、他には50歳代10.5%60歳代10.5%で、既に配偶者や、舅・姑の介護をしていたり、自身が慢性疾患にかかり医療介護の支援を受けている人、数年前に夫を看取り現在独居のため毎日の過ごし方に苦慮している方など様々な背景を持ちながら参加していることがわかった。『人生最期の看取りについて自分はどうしたいか、大切な人にどうしてあげたいか』についての意見は、やはり「できるだけ家族に迷惑にならないように自宅で暮らしたい。」と言う意見を持つ人が多かった。また、住み慣れた場所での暮らしを継続するために、ファシリテーターとして討議に関わった医師からは普段から身体面、精神面の事など遠慮なくかかりつけ医師や看護師、家族に相談する事が自身の人生の最終段階を見据えた療養の場所づくりに繋がると説明された。暮らし方についても地域包括支援センターのケアマネジャーや相談員が気軽に相談相手になってくれる事が伝えられた。どの人も笑顔で活発に意見を言い合い、共感したりたたえ合いながらなごやかに会を終える事ができた。
【感想】
「色々な人の声が聞けて良かった。」「皆さん家族のためにがんばっているのが解りました。」「不安がないとは言えないけど困った時は、地域包括って相談できるんやなぁ。」などの感 想が寄せられた。
【アンケート結果】